学名:Lindera umbellata

科名:クスノキ科

抽出部位:枝葉

抽出方法:水蒸気蒸留法

ノート:ミドルノート

精油の主な成分:リナロール、α-ピネン、酢酸ゲラニル、1.8シネオール など

産地:福島県会津地方


クロモジは「黒文字」と書きますが、これはクロモジの緑色の枝に黒い模様が入るため。昔の人はこの黒い模様を文字に見立て「黒文字」という名前を付けたと言われています。

クロモジは日本固有種の香木。日本の本州、四国、九州と広く分布していますが、精油の香りはその土地によって特徴があります。また、類似種や変種も多く確認されており、南会津で採れるクロモジは「オオバクロモジ」という種類。関東以北から東北、北海道南部に分布しています。

クロモジの幹と枝は烏樟(ウショウ)や釣樟(ちょうしょう)という名前で生薬としても使われています。漢方医学ではあまり使われてきませんでしたが、日本人には身近な植物で昔から様々な用途に使われてきました。また、高級爪楊枝としてもご存じの方も多いのではないでしょうか?

森に生えている木からも香りを感じることが出来ます。

クロモジの枝を折ったり、葉を揉んだりすると、クロモジの香りを感じることが出来ます。

森の仕事をする木こりや猟師は森の中でリラックスをするために、またオーラルケアとしてもクロモジの枝を咥えていたそうです。

クロモジは材料の採取が大変で、採油率も高くありません。そのため、クロモジの精油は非常に高価な精油です。

一十八日では伐採の下刈りを兼ねてクロモジを採取させてもらっていますが、100㎏の材料を集めるのに大人の男性が何時間も作業をしないといけません。

さらに、その材料からどのくらいの精油が採れるかというと約0.1~0.2%。100㎏の材料からたった100g~200gの精油しか採れません。精油はとても貴重な森の恵みであるということが分かるかと思います。

クロモジの香りはウッディーで爽やかで甘く華やか。その香りはリラックスを誘い、安眠効果があると言われています。ゆったりとした時間を過ごしたいときにおすすめの香りです。